ゲームやろうぜ!ドットコム
ゲームやろうぜ!とは ゲームやろうぜ! DIGITAL MEISTER ゲームやろうぜ!2006 過去の記事
 
 
 
ゲームやろうぜ!過去の記事 > 週刊やろうぜ!バックナンバー【第6回 05/12/06号】
 

ソニー・コンピュータエンタテインメント 第1制作部 前田晃紀、佐藤一信

前田晃紀氏(写真左)。メインプログラマー。「パラッパラッパー」などの音楽ゲームを手がける。本シリーズでは『SIREN2』で初参加。開発ツール:Code Warrior、Visual Source Safe、テキストエディタ
佐藤一信氏(写真右)。グラフィックデザイナー。本シリーズではキャラクターデザイン・チーフを勤める。俳優の撮影から、モデリング、フェイシャルモーションまで監修。開発ツール:3Ds MAX、MOTIONBUILDER
SIREN2

身も凍えるほどの恐怖。廃墟の島に鳴り響くSIRENの音。29年前に消えたはずの住民が帰ってきた・・・・・・。いまやホラーゲームの代名詞『SIREN(サイレン)』の新作を手がけているスタッフが語る、ゲーム作りの現場の実態。はたしてゲーム作りに必要なスキルとは?

現在は『SIREN2(サイレン2)』を作っているおふたりですが、そもそもおふたりがゲーム作りに取り組んだきっかけはなんだったのですか。

前田:やっぱりゲームが作りたかったんですね。『ドラゴンクエスト』のようなゲームを作れたら、と思っていました。就職活動のときに、いわゆる普通の会社とゲーム会社に受かりまして、結果ゲーム会社を選んだほどですから。

プログラマー志望だったんですか。


前田:じつは、入社当時はプログラムの知識がまったくなくて、会社に入ってから覚えたんです。ファミコンでアセンブラを覚えて、その後スーパーファミコンで腕を磨いて。ソニー・コンピュータエンタテインメントに入ったのはさらにその後ですね。

佐藤:僕もゲームはずっと好きだったんですけど、学校ではCGを勉強していたんです。だから、CGムービーは作れるけど、ゲームの作り方なんてぜんぜん知らなかった。ところが入社してみてから、虎の穴に入ったかのように鍛えられまして。やっぱり、ゲーム作りってタフな仕事なんで、まずは精神面からっていう感じで。

では、CGについての知識はあったというわけですね。

佐藤:ええ。ただ、もともとツールは使えていたとはいえ、ゲーム制作者としての実践的な使い方をおぼえたのは、会社に入ってからです。

『SIREN』シリーズは実写とCGが融合したグラフィックが特徴的ですが、これはどのような意図だったんですか?

佐藤:『SIREN』シリーズで大事にしているのは“空気感”や“アンビエント感”“ノイジー”な部分なんですね。普通はそういうものも手で描いてしまうんですが、どうしても手描きでは表現できない部分がでてくる。たとえば、写真を手で模写しても雰囲気が違うように、手描きだとこぼれ落ちる“空気感”がある。具体的に言うと、目の輝きや皮膚のたるみや震えといった部分ですね。そこを大事にするために、『SIREN』では実写の写真をサンプリングするという手法をとったんです。

なるほど。では、実際に『SIREN2』でCGモデルを作るときの作業を教えていただけますか。

佐藤:まず、シナリオにあわせてキャストを決めます。どんな俳優さんにどんな服を着せるのか、どんなメイクをするのか。それを考えてオーディションをするんです。そこで決まった俳優さんに衣装を着ていただいて、撮影を行います。イコール、それがキャラクターの基本イメージになります。頭のてっぺんから足の裏まで、8方向からすべて撮影するんです。もちろん表情も。今回の『SIREN2』では、3Dスキャナーを用いてモデリングのガイドとなるものを作りそこからCGモデルを作りました。この3DCGモデルに対して、撮影した写真をコラージュして張り合わせていくんです。


CGモデルの動きはどのようにつけていますか?

佐藤:基本はモーションキャプチャーで、3系統の方々をキャプチャーしています。まず、俳優さん本人にモーションキャプチャーしていただくもの。次に屍人の動きとして、舞踏家である大駱駝艦の方の動きをモーションキャプチャーしたもの。最後にゲーム中のプレイヤーキャラクターの動きとして、専門のモーションアクターの方に動いていただいたものです。

グラフィック面でプログラマーが今回取り組んでいることはどんなことでしょうか。

前田:今回、基本的なグラフィックの描画エンジンは前作と同じものを使っていますが、それ以外の部分はかなり作り直しています。グラフィック面での新たな効果として大きいのはライトの表現ですね。様々な設定を盛り込んでいます。

佐藤:場所ごとに様々なライトを設置していて、極端に言ってしまえば、歩くごとに違うライトに切り替わるわけです。だから、ふわっと明るくなるところもあれば、突然暗くなるところもある。自然な怖さが演出されていると思います。

前田:物の影にしゃがむと屍人から隠れられますが、立ち上がると光を浴びて屍人に見つかってしまう、というようなゲームにつながる仕掛けも多く用意されています。

プログラム的に今回『SIREN2』で挑戦していることは?

前田:大きいのは、車が操縦できること、銃が増えていること、あとは窓が割れるということですね。車で屍人を轢くこともできるようになっています。プログラム的には、巨大なコリジョン(当たり判定)があるものを動かすのは大変なことだったんですけど、実際に作ってみたら、その車を踏み台にするといった新しいゲームの要素もアクセントとなり、ぐんとゲームが面白くなりました。


次回予告

次号もおふたりにお話を伺います。いよいよ語られるゲーム開発者に大切な能力。思わぬ方向にお話は膨らみます! 『SIREN2』の秘密にも接近。

本文中に記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。なお、本文中に(R)、TMマークは明記していません。

 

次の記事   前の記事

 

 

Copyright 2006 Sony Computer Entertainment Inc. All rights reserved.