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ゲームやろうぜ!過去の記事 > 週刊やろうぜ!バックナンバー【第12回 06/01/24号】
 

クリエイターに聞け! RULE of ROSE編 第1回 有限会社パンチライン 石川周志/白組 花房真

有限会社パンチライン
有限会社パンチライン:独自の世界観を持つゲームを世に送り出したラブデリックのスタッフを中心に結成された制作集団。
株式会社白組
株式会社白組:CGやアニメーションなどクオリティの高い作品でワールドワイドに活躍する映像製作プロダクション。
「RULE of ROSE」公式サイト

美しい映像の裏に漂う、恐怖の感情。サイコサスペンス的な世界を追求した『RULE of ROSE(ルール オブ ローズ)』。前回に引き続き、ディレクション、CGディレクションを担当したパンチラインの石川氏とアートディレクションを担当した白組の花房氏にお話を伺った。

『RULE of ROSE』ではキャラクターの動きが非常に繊細ですね。お辞儀のシーンなどちょっとした手足の動きが心理を見事に描いています。これはどうやって実現したのですか?

石川:モーションキャプチャーをしました。子供の動きには無駄な力の入れ方だとか、特有のブレがあるんですよね。そういう動きは大人では再現できなかったので、実際に子供に演技をしてもらいました。実際に映像にしてみると、子供ならではの動きを表現できたと思います。

花房:キャラクターの動きに関して、かなり大げさに。だから、モーションアクターの方には、なるべく演劇っぽく動いてもらったんです。子供たちはやってくれるんですが、大人はなかなか大げさに動けませんね。

ゲーム中に犬が出てきますが、あの動きは手でアニメーションをつけているのですか?

石川:犬のモーションキャプチャーをやったんですよ。実際に犬にモーションキャプチャー用のスーツを着せたかったんですが、なかったんでお手製で(笑)。

花房:映像でのシリアスなシーンとは対照的にモーションキャプチャー中は笑いっぱなし。匂いをかぎながら、前に進む演技をするときは、エサを道にならべて撮ったり(笑)。


石川:走らせたり、歩かせたり……。ただ、後ずさりだけはできなかった。しかたないから、ヒモで引っ張って(笑)。

花房:最後まで撮影を終えた瞬間に、みんなが近づいたら、うれしがって、そこでおしっこをしちゃったんです。次の日は人間でモーションキャプチャーをしたんですが、スタジオがなにやら犬のおしっこ臭い(笑)。

子供たちの世界を表現するために、他にどんな演出を追及しましたか?

石川:子供の落書きを、実際に作ったんですよね。

花房:ダンボールに落書きが描いてあるシーンがあるんですけど、それはデザイナーが作るよりも実際にダンボールの上にクレヨン描いたほうが早いんですね。それをデジカメで撮って、CG上に貼ったんです。

石川:白組の屋上に絵を描いたこともありましたね。

花房:石の壁の上に絵を描くシーンがあったんですけど、それなら白組のビルの屋上の床に絵を描いてしまえばいいんだと思って。実際にデザイナーが屋上に絵を描いたんです。最初、それを見たときは冗談だと思ったんですけど、じつは本当に描いていて。しようがなく、消したという(笑)。

お二人が好きなシーンはどこですか?

石川:アマンダの奇行ですね。

花房:ああ、僕もアマンダ。

石川:アマンダは、最初にできた、ストーリーの軸となるキャラクターなんですよ。キャラクターとしては情緒不安定。構って欲しかったり突然泣き出したり。なんか学生時代のクラスにひとりはいたなあ、という。

花房:アマンダのシナリオがあがってくるたびに、面白くてしようがない。ホラーゲームなのに笑えるんです。そこがよかった。

石川:あと、僕は貴族の祭壇のシーン。ここで本作のテーマ曲が流れるんですけど、これがすごくいいんです。このシーンで、僕らはやっと「いい感じ」になってきたな、と実感できたんです。

花房:テーマ曲のイメージはシャンソンの「暗い日曜日」なんですよ。実はちょっとコワイいわくつきの曲だったんですけどね。でもスタッフみんな聞きましたね(笑)最初はシャンソンがゲームに合うのか、正直疑問だったんだけど。ムービーができたときに、この曲を流したら本当にぴったりで。

では、「ゲームやろうぜ!2006」への応募を考えている方々にメッセージをお願いしたいんですが、まず、このお仕事の魅力はどこですか?

石川:僕は映画も好きだし、ゲームも好きなんですけど、ゲームっていうものは映画よりも作るのが大変な部分があると思うんですね。プレイヤーが予想もつかない行動をするし、インタラクティブですから。だから、ゲーム作りって大変なんですけど、それだけにやりがいがあります。

花房:CGは現実ではありえないものを、あたかも現実にあるかのように作りこめるんですよね。宇宙人でも、モンスターでも、写真のように描ける。この感覚がすごく楽しいですね。ゲームも同じで、現実では味わえない感覚を体験できますよね。たとえば、SFの世界を冒険することもできるわけだから。僕はそこがゲームの好きな点です。

石川:ゲームを作っている人って、たいてい趣味でもゲームが好きな人だと思うんです。だから、みんなすごく真剣に作っている。僕らが楽しみながら作っていることを、共感してもらえるのはすごく魅力的な仕事であると思います。

ゲームの技術は年々進歩していますが、その進歩にどのように対応していますか?

石川:この業界の人ってたいてい新しいもの好きだと思うんです。新しいものや変わったものに対するアンテナをみんな持っている。その中で、自分に合っているものをしっかり選びとることですね。

花房:CGの技術は年々進歩しているんですけど、いまはインターネットでずいぶん技術情報を手に入れることができるんです。僕らがまだCGをはじめたころは、ここまで便利じゃなかった。とにかくインターネットで、新しい技術を知るということ。知っていれば、身につけるのは、それほど困難なことじゃないですから。知らないと何もできないですしね。


花房真氏(白組) 『RULE of ROSE』ではアートディレクションを担当(左)
石川周志氏(パンチライン) 『RULE of ROSE』ではディレクション、CGディレクションを担当(右)

最後に「ゲームやろうぜ!2006」の応募者の方々へアドバイスをお願いします!

石川:自分が「面白いと思うこと」に、シンパシーを抱いてもらえるように意識して欲しいですね。たとえば、企画をプレゼンするときもそうですし、商品になったときに「面白いこと」がプレイヤーのみなさんに伝わるようにしなといけない。「面白い」と思っていることを相手にしっかり伝える「説明力」を身に着けて欲しいです。

花房:ひとつのことしか知らないと行き詰るし、引出しが狭くなる。だから、幅広い知識を身に着けたほうがいいと思う。でもね、ひとつのことを突出していると、評価を得やすいんですよ。その両方のバランスを取って欲しいと思います。

ご協力ありがとうございました。


"PlayStation 2"用ソフト
「RULE of ROSE」
2006年1月19日発売

次回予告

「ゲームやろうぜ!2006」応募受付締切が近づいています! そろそろ作品制作の追い込みに入った方も多いかと思いますが、風邪などひかないよう気をつけてください。次回もゲーム制作の魅力を伝えるための企画を準備しています。

お楽しみに!

 

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