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ゲームやろうぜ!過去の記事 > 週刊やろうぜ!バックナンバー【第14回 06/02/10号】
 

プロデューサーに聞け! 第2回 ソニー・コンピュータエンタテインメント 第1制作部 プロデューサー 海道賢仁

『ICO』、『ワンダと巨像』のプロデューサーをつとめる。ディレクター上田文人氏のビジョンを支持する、最大の理解者。
「ワンダと巨像」公式サイト

前回に引き続き、『ICO』と『ワンダと巨像』という、世界的に高い評価を集めているタイトルをプロデュースする海道賢仁氏に、「プロデューサー」という仕事へのこだわりについて伺いました。はたして、プロデューサーという役職に必要なものとは!?

そもそも海道さんがプロデューサーという役職に就いたのはどんなきっかけがあったのですか?

海道:きっかけらしいきっかけは特になくて、自分としてはいつの間にかそういう立場になった、という印象ですね。もともとゲーム制作現場のディレクターだったので、プロデューサーの仕事をするようになり、意識的に頭を切り替えた部分があります。やはり、プロデューサーがゲームデザインに口を出すと制作が迷走する。スケジュールを考えるときなどに、ディレクターをやっていた経験が役に立つところもありますが、バランスをとるのが難しいですね。

海道さんが『ICO』や『ワンダと巨像』でプロデューサーとしてこだわったポイントはどこですか?

海道:ゲーム本編よりも、プロモーションや販売促進の面が大きいです。ゲームの良いところを伝えて、誤解を招きやすそうなところを丁寧につぶしていく。ポジティブにゲームを捉えられるように、アピールしていきました。『ワンダと巨像』については映像のインパクトが非常に大きいので、とにかく世の中の多くの人に見てもらうことが重要でした。だから、映像をいろいろなところに展開していきました。

海道さんにとって、良いプロデューサーには、どんな能力が大事だと思いますか?

海道:うーん、難しいですね。あまりにも広範にわたる能力が必要といえるし、そのすべてが大事なはずですから、理想のプロデューサー像を考えると、ものすごいスーパーマンになってしまいますね。しかし変な言い方ですが、すべてができるけども何もしないですむプロデューサーが理想なんじゃないかと思います。動かずに、勝つという。プロデューサーとして動き回っているのは、まだまだなんでしょう。

やはり、プロデューサーには制作から宣伝、販売まで幅広い知識が必要だということですね。

海道:ただ、スーパーマンになれないとしても、得意な部分があればいいんだと思います。SCEにも様々なタイプやスタイルのプロデューサーがいますし。やはり、ゲームによって制作や宣伝の方法は違いますから、ゲーム制作はどうしてもフォーマット化できない部分があります。どんなゲームでも、試行錯誤しなきゃいけない部分があるんです。なので、なにかしらある部分に秀でたプロデューサーが、そのスタイルに合ったゲームをプロデュースしていくのが良いやり方と言えますね。

『ICO』や『ワンダと巨像』は海外での評価も高いですね。今回、海外に向けて意識した部分はありますか?

海道:プロモーションで大変だったのは、日本を含めたワールドワイドに向けて、ゲームの情報を出していく際のコントロールですね。海外にもゲーム雑誌がありますし、WEBや各国のゲーム誌ごとに掲載されるまでのタイムラグがそれぞれ異なるので、それを逆算してタイミングが揃うようにしないと格差が生じてしまいます。メディアさんの商売として鮮度が古い情報はあまり大きく扱ってもらえませんから。日本版と北米版の発売日が非常に近かったこともあって、同時に対応するメディア数が単純に倍ですからその対応だけでも大変でしたね。もちろん両方のバージョンを作ってる制作チームがいちばん大変なわけですけど。

海外からゲームの制作について意見を貰ったことはありますか?

海道:アメリカではマーケティングのために、フォーカステストをやっています。日本でいうところのモニターテストと同じで、ユーザーさんにテストプレイをしてもらうわけです。そのデータはもらっているので、制作チームでは参考にしています。余談ですがアメリカのユーザーさんはどちらかといえば、パズル的な要素に対する興味が日本よりも強い傾向があるみたいですね。それ以外では、直接ゲーム内容について「ああしろこうしろ」みたいな意見をされることはありませんでした。制作サイドのやりたいことをすごく尊重してくれているんだと思います。

海道さんにとって、良いゲームとはどんなものになりますか?

海道:僕が考える、良いゲームのポイントはふたつあって。ひとつは、自分がヒーローになれるということ。ヒーローってのはかっこよくて偉い。そんな主人公になるという感動ですね。もうひとつは、操作する一体感。ものを操作する、動かす、操縦する面白さですかね。自分が考えたとおりに画面の中のモノが動くという原始的な喜びが味わえることです。

『ワンダと巨像』でも、その喜びを感じましたか?

海道:ええ。当然といえば当然ですが『ワンダと巨像』はむちゃくちゃ遊びこみましたよ。でも、ユーザーの方々のプレイを観ると、自分よりもぜんぜん上手い人もいる(笑)。やりこんでいるプレイを観るのは、うれしいですね。制作者の思惑をユーザーが越える瞬間というのは、楽器作りの喜びに近いものがあると思います。これもよく言われてることですが、ゲームというのは楽器であり、プレイヤーがそれで演奏を行なってはじめて感動的なものになる。そういったプレイが生み出されたときの喜びですね。

なるほど! 最後に『ゲームやろうぜ!2006』に挑戦するみなさんにアドバイスがあれば!

海道:ゲームの制作者になるということは、とにかくモノ作りが好きでないとダメなんじゃないかと思うんです。ゲーム制作者になる前に、何でもいいので、小さなものでもいいから、何かを作るという経験をたくさんやってみて欲しい。そのうえで、今までにないものを作るという大きな志を持って欲しいと思います。

ご協力ありがとうございました。


"PlayStation 2"用ソフト
「ICO」
2001年12月6日発売

"PlayStation 2"用ソフト
「ワンダと巨像」
2005年10月27日発売

次回予告

2/28(火)の応募受付締切まであとわずか! いよいよ「ゲームやろうぜ!2006」も佳境を迎えようとしています。

次回の「週刊やろうぜ!」はついに最終回。応募するかどうか、まだ迷っている方を後押しできるような企画を準備中です。

お楽しみに!

 

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